片隅で息づくものたち
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神戸のSONEは、僕がよく行くジャズクラブだ。
先週末にものぞいてきた。今月はこれで二度目。かつて担任をした子のリクエストに応えて案内役をつとめた。
今回はいつものトリオのスタンダード・ジャズではなく、ハワイアンである。どんな感じになるのだろうと思っていたが、店内はいつも以上の混雑ぶり。顔見知りがいるかもしれぬと見回したものの、見つけることすらできなかった。
さて、演奏が始まると懐かしい思い出がよみがえってくる。そうそう夏、子供のころ母親の買い物について行くと、市場では必ずこのハワイアンが流れていた。買い物かごから飛び出したねぎ、もみ殻を敷き詰めた台にきちんと並べられた卵。樽に盛られた味噌に指を突っ込んでこっぴどく叱られたっけ。
そういえば、日本のムード歌謡に多大な影響を与えたのも、このハワイアンだった。
目の前の中年の男女が、メロディーに合わせて体を揺らしている。
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先日の「こども作文教室」で行った、作文ダッシュ(「小学生に携帯電話は必要か」)を専門学校でもやってみた。プレゼンテーション技法の一つであるナンバーリングを作文に応用し、テーマに対する賛否をそれぞれの立場に立ってその理由を三つ挙げ、文章にまとめていくというものである。
不思議なことに小学生対象のときもそうであったが、専門学校生が対象であっても等分に分かれたのだ。しかも、賛成派・反対派ともに、その理由の一番に挙げているのが「犯罪の被害者にならないため」という点だ。これは実に興味深い。
仮にこれが「中学生に…」だったら、もうこの割合にはならないだろう。まして「高校生に…」では、誰も書く意欲を失うに違いない。
ただ、前述のテーマで男女の比率を見てみると、反対派は圧倒的に女子が多く、賛成派は男子で占められるという結果が出た。
もちろん、正式なアンケートでも何でもないわけだから、これによって携帯電話に対する若者意識を云々するわけにはいかない。ただ、この意見の分かれ方は案外的を射たものであるようにも感じるが、いかがなものだろう。
近いうちに、高校生でもこれを試してみたいと思っている。
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昨日は、大阪国際滝井高等学校での授業であった。
担当しているのは3年生の「国語研究」と「現代文演習」である。この二つは、科目名と時間数の違いこそあるものの、目指すところは「書く力」を鍛えることを通して読解力を向上させるというものだ。
私は、週に一度のこれらの授業が楽しくてならない。生徒諸君が綴る文章から新たな「学び」を得ることができるし、彼女たちが一心不乱に鉛筆の音をたてて原稿用紙に向かう姿にも、胸が熱くなる。だから、書き上げられた文章には必ず添削を施し、短くはあっても講評をつけるようにしている。彼女たちもそれを励みにしてくれているようだ。
昨日の「国語研究」では、各自がお気に入りのJ-POPの歌詞を素材に現代文の試験問題を作成してもらった。テスト作成者の立場を疑似体験することによって出題者側の意図を知り、適切な解答とはどのようなものかを逆に理解させることを目指したものである。同時に、これによってお気に入りの歌詞の理解も深まり、一挙両得なのである。さらに、後日相互にこれを解き合い、出題者はそれぞれの解答解説をみんなの前で行う。つまり、プレゼンテーション実習ともなるわけだ。
一方、「現代文演習」では、「作文リレー」を行った。5~6人のグループに分かれ、各自に別々の写真を配布。その写真を題材に文章を書き始め、時間を区切ってそれを次々に他のメンバーへリレーして書き継いでいくというスタイルをとる。そしてそれが一巡すると、自分の書いた文章が他のメンバーたちの手によって「成長」しているということになり、それを最後もう一度自分の手で締めくくるということをする。これはなかなかハードだが、一様に「楽しかった」「またやってみたい」という感想が多数を占めた。作文における発散思考と収束思考の大切さも体感してくれたことと思う。
次回は、さてさてどんなプログラムでいくか…? それはもちろん、秘密だ。
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5月18日 10:00~12:00 定例講習
しりとりで、ウォーミングアップ。そのあと、しりとりで出した言葉を題名にして作文ダッシュ。共通課題は「たのしかったこと」
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5月17日 16:00~18:00 定例講習
40字作文は、「ぼく・わたしの性格」と「ぼく・わたしの趣味」の2本。作文ダッシュは、「小学生に携帯電話は必要か」と「なぜ、勉強するんだろう?」の2本。
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テーブルに戻ると、背後から声がした。
「よろしければ、先ほど撮っていらっしゃった画像を拝見できませんか」
まずかったかなと、私は後悔した。
購入したばかりのカメラの試し撮りを兼ねて、神戸にあるジャズクラブに立ち寄り、店内を撮っていたのである。ライブの合間に、しかもストロボは発光させていないから、問題あるまいと思っていたのだが、やはり店側からすると迷惑な客と思われたに違いない。
振り返ると、初老の紳士が立っていた。
「デジタル一眼ですよね、それ」
と、彼はさらに私のカメラに顔を近づける。彼の手にも小さなカメラがあった。
なるほど、同好の士だったか。
「ええ、結構ですよ」
私はほっとして、カメラの液晶部分を彼に向けた。紳士は顔をほころばせながら、
「恐れ入ります。いや、じつはあなたがおもしろい角度から写真を撮っておられたものですから」
私が返事をする前に、
「すみませんね、ぶしつけで。この人は、音楽よりカメラの方に興味があるんですよ」
新しい声の主が登場した。いつの間にか、彼の連れまでが近寄ってきたのだ。
二人は画面をのぞきながら、盛んに感心してくれる。仕事以外では初対面の人間とこのように会話をすることをしない私だが、こうも持ち上げてくれると、ちょっと気分がよい。
ただ、こういう時は決まって、カメラ談義に移っていくものだ。そこが困る。というのも私はカメラについて詳しくないからだ。露出やシャッタースピードなどと言われると、とたんに及び腰になってしまう。
話の中で、どうやら連れの男性がカメラの紳士を、今日のジャズライブに誘ったらしいことがわかった。ならば話題をジャズに変えたほうが、こっちも大人の話ができる。
「こちらへは、よく来られるんですか」
私が水を向けると、今度は連れの男性が身を乗り出してきた。よし、ジャズならありがたい。たちまち、カメラの紳士の存在を忘れてしまうほどに、話に没頭してしまった。
驚いたことに、相手の男性の家が私の家とは一駅離れただけのところにあることもわかった。
休憩時間が終わりかけたので、先方も話にくぎりをつけたくなったのだろう。
「ところで、いい写真を撮るポイントっていうのは、何ですかね」
やはり、この手の質問が一番苦手だ。しかも相手は手綱をゆるめない。
「やっぱり、いいレンズを使う。いや、シャッターチャンスですかね。それともピントをはずさない、とか…」
私があいまいな表情を向けているところへ、先ほどのカメラ紳士がもどってきた。
そして、自分のカメラの液晶画面を突き出した。
「どうですか、これ」
見れば、彼と先ほどのライブに出演していた女性ボーカルとが、一枚の写真に納まっているではないか。しかも、鮮明に撮れている。
彼の得意げな顔に対抗して、私は自分のカメラをわざと邪険に扱いながら、こう話題を引き戻すのが精一杯だった。
「…いや度胸、でしょうね」
三人の男は、ともに笑った。
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あらためて、現在僕が携わっている作文添削について考えてみた。
人数で言うと、高校と専門学校の学生、そして作文教室の受講生を合わせた約200名の作文が、毎週僕の机の上に集まる。それに一枚一枚目を通して、それぞれの原稿用紙に添削とコメントを記している。
最初は時間的にも体力的にも不安があり、ましてやコメントの内容がパターン化してしまわないかという恐れもあった。
ところが、いざ始めてみるとそんな不安は吹き飛んだ。
おもしろいのだ。
それぞれの人生が、間違いなくその作文の中にある。物書きの端くれとして、こんなに勉強になることはない。
添削はもとより、コメントの内容も似通ったりすることがないのが不思議なくらいである。
小中学校時代、作文や読書が大嫌いだった男が、今こうやって作文指導をしている。
そんな僕の「人生の皮肉」に、心から感謝する。
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前から欲しいと思っていたが、なかなか手が出なかった。学生時代に小型映画を制作していたので、映像に関しては、この映画制作から入ったことになる。それなりに技法や理論も少しはかじったが、スチールカメラとなるとまったくの素人だ。
ただし、何でもそうだが素人が「その道」に入れ揚げてしまうと、始末におえなくなってしまう。
8㎜映画にのめり込んだときの苦い経験があるから、実はこのデジタル一眼については、自分の心を抑えに抑えていたのだった。
ところが、今回このブログを立ち上げたことによって「そのぅ、写真なんかも、ないとね…やっぱり、どうも寂しいや」
という理屈が、たちまちのうちに僕の頭の中を闊歩し始め、
「ちょっと、見るだけ」
が、
「ちょっと、触るだけ」
となって、気がつけば、店員の前でクレジットカードを差し出していた。
言い訳のつもりで、まずは一枚撮ってみる。
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正直なところ、このブログというやつ、何をどうしてよいのかわからなかった。いわゆるホームページとはどのように違うのかということすら、説明できなかったのである。
ところが、いざ始めてみると、これがなかなかよい。更新が実に簡単なのだ。自分でやってみてその意味がやっとわかった。なるほど、昨今のブログ・ブームというのはここからきているのかと納得した次第。
とは言うものの、まだまだブログ1年生である。新入生は制服やランドセルが大きすぎて体になじむまでには、少し時間がかかるものだ。このブログもまた同じ。やや風呂敷を広げすぎたかなという不安を抱きつつ、小生もここしばらくは試行錯誤をくりかえすことになるに違いない。
読者諸氏の寛容な心にすがろう。
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