J-POPで国語スル?
今日は、大阪国際滝井高校での授業日であった。
僕の授業プログラムの一つに、「J-POPで国語スル?」というのがある。
旬のJ-POPの歌詞を題材に国語の問題を作成し、それをもとに演習をするというものだ。
今日、受け持ちのクラスの一つでそれをやってみた。取り上げた作品は、BUMP OF CHIKENの「車輪の唄」。別れざるをえない、愛し合う男女の、その心の機微を描いた作品だ。
まずは、曲を聴いてから、問題演習。そして、演習を通して内容の理解を深めてからもう一度曲を聴いてしめくくる。
この作品の優れている点は、国語の現代文で学習する代表的な表現技法がすべて盛り込まれていることだ。擬人法や倒置法、体言止めはもちろんのこと、心理描写や心象風景の描き方の鮮やかさは、そのまま国語の教科書に掲載してもよいくらいである。
「大事なのは、表現技法の名前なんかじゃない。作詞者がなぜこのような表現を使ったかを理解すること」
といつも説いている。
国語を勉強するとこんないいことがある、と説明するときに、このプログラムを実施すると確実に高い効果が得られる。たとえばこのように、ふだん慣れ親しんでいる歌の意味を理解して、より深い感動を味わえることを国語学習の目的としてもいいと、私は考えている。
このプログラムは以前から何度もやってきたが、今日は解説中に1人の生徒が感極まって涙ぐんでしまった。それだけ、この作品のテーマを深く理解してくれたのだろう。僕自身も少し唇をふるわせてしまった。
この仕事をしていて、本当によかったと思える瞬間である。
生徒は、「この授業をもう一度やってみたい」と必ず言う。
そんなとき、僕の答えは決まっている。
「じゃあ、今度は君たちが自分で作品を見つけて、問題を作ってごらん」
別のクラスでは、もう生徒が問題を作り終えている。
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コメント
素晴らしい授業ですね。
詩の中に、とても深いものを感じられます。
うまく説明できませんが、共感できます。
生徒も真剣に参加している感じが伝わります。こういう、授業、私も受けたかったです~~~
投稿: みろく | 2008年6月18日 (水) 11時10分
教科書は、とても大切。
内容・ボリュームともにバランスのとれた教材が盛り込まれているから。
でも、教科書で勉強する目的は、その知識を教科書以外のことに応用するためなんだよね。
大切なことは、それを理解しながら教科書で学ぶかどうかということじゃないかな
投稿: りゅうはく堂店主 | 2008年6月18日 (水) 21時56分