映画「インディー・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」
インディー・ジョーンズは、僕たちの年代にとって同時進行のヒーローである。
不可思議な宝物をめぐってのアクションの数々、物語の最後には宮殿が崩壊する。毎回のパターンは、そのまま懐かしい冒険活劇の典型を感じさせてくれた。
もう一方の活劇のヒーローであるジェームズ・ボンドを演じる役者が世代交代をするのに対して、こちらはハリソン・フォードが今回も続投である。
だから、アクション場面の主役が時として若い登場人物にバトンタッチするのは、いたしかたない。それはそれで納得できる。
もちろん、今回もハリウッド映画のパワーを見せつけられた。
ただ、この作品、日本では今までのシリーズのようなヒットにはならないのではと危惧する。どうしても日本人としては、ひっかかる部分がある。冒頭での、原爆実験基地からの生還シーンだ。
主人公のタフさを表現するにしては、あまりに粗雑な演出である。これまでの作品群を通して理解していたつもりのスピルバーグの戦争観を、ここで大きく覆された気がした。この精神的なブレが、この作品のラストまでつきまとったのだ。
このシリーズは、映画も含めて僕の創作の指針となってきた。だからこそ、愛着も深い。「危惧」という言葉を用いたのは、そのためである。
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