平成21年度前期 学校法人永井学園 鹿島学園高等学校奈良キャンパス 学校長式辞
新入生の皆さん、入学おめでとう。
保護者の皆様、本日はお子様のご入学、まことにおめでとうございます。
さて、新入生の皆さん、いきなりですが、皆さん方はこの学校を卒業するために、今日入学しました。つまり、この学校から出ていくために、ここへ入ってきたことになりますね。
始まりは終わりに向かい、終りは始まりへと続きます。それは、昨日が今日に向かい、今日が明日へと続くのと同じです。
ただし、人によってその変化の速さは違います。ちょうど大小さまざまの川の流れの速さが違うように。
ちょっと、話が難しいでしょうか? でも、難しく「あれっ、どういうことなんだろう?」と感じることの方が、わかりやすい、いわば消化のいい言葉ばかりを聞いているよりも、よっぽど人生の勉強になると、私は考えています。
私の小説作法の師である杜山悠先生は、「高山君の文章はとてもわかりやすく書けている。でもね、わかりやすい文章だけでは読者は満足しないよ。ザラッとした心にひっかかるような、そう、平ったく言うと読者が頭をかしげるような表現こそが彼らを考えさせる。それがないと読者は行間を読んだ気にならないんだ」
皆さんも、この学校へ来るまでには楽しいだけではない、そういう意味でのザラッとした経験をしてきたのかもしれません。しかし、それは皆さんだけではなく、後ろにいらっしゃる保護者の方やご家族の方も、おそらく同じような経験をお持ちだと思います。いや、実はこの世の人間すべてが同じ思いをしていることでしょう。
だからこそ、芸術や文学が成り立つのです。
つまり、時には辛いザラッとした経験も、実はこれからの「人生の行間」を読むのにとても大切なことなのです。
そう、皆さんの目はまさに「今日、これから」に向けられています。
皆さんは、この奈良キャンパスの第一期生です。皆さんの前に先輩は歩いていません。皆さんの後に後輩が続くのです。
その誇りをもって、学校生活を送ってください。
保護者の皆様、今日から皆様と私たち奈良キャンパスの教務スタッフは、チームです。私たちはチームの一員として、お子様に豊かな「人生の行間」を味わってもらうための、お手伝いをしたいと考えています。
たった4人からのスタートです。しかし、たった4人だからこそできることが、数多くあると考えます。
無限の可能性を秘めた4人です。大切に見守ってまいりましょう。
本日は、まことにおめでとうございます。
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