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2012年2月

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」

この映画に、ちょっと面白いお菓子が出てくる。
かりんとうである。

今はもう食べなくなったなぁ、このかりんとう。
ゴツゴツした外観は、無骨そのもの。
「自分、不器用ですから…」
誰かのせりふじゃないけれど、お菓子の世界では、きっと順風満帆に生きてきたんじゃないことが、容易にうかがい知れる。

かりんとうはまた、宇宙空間に浮かぶ小惑星「イトカワ」をもイメージさせる。
孤独な影を宿す。

さて、映画は巧みな人物配置。
新聞記者を語り手とすることで、素人にもわかるように語られている。またそれが物語進行を単調さから救っている。

神仏に頼らない山口教授が、願掛けにいった先で、孫受け先の社長と語り合うシーンの、その社長の指先の演出などは、失礼ながら東映にしては珍しくさらりとしたタッチである。
そう、東映としてはめずらしく、まっすぐな映画なのだ。

ペンシルロケット、カッパロケット…なつかしい。
日本がロケットを打ち上げる意味を分からせてくれた。

噛み砕くと、口中がとんでもない騒ぎになるが、そこが味わいだ。さまざまな人間ドラマがぜいたくに盛り込まれている。
混乱の中に秩序が生まれ、やがてほのかな甘みが残る。あきらめなかった者だけが味わえる豊かさだ。

そんな、かりんとうのような作品であった。

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映画「ALWAYS三丁目の夕日’64」

少なからず文章に携わる者として、この作品は心を打つシーンがある。

万年筆にまつわる場面だ。
万年筆は、当時入学祝いの代名詞であった。

「小説を書きたい」

血のつながらない竜之介を師と慕う淳之介が手にする万年筆は、まさに物書きにとっての刀のようなもの。

自分と同じ辛い道を歩ませたくないと思う竜之介の、自分もかつて父親から同じように言われた言葉を発した後の、子どもの学制服の胸ポケットに差してやる姿は、元服の儀式そのものだ。

子が親を乗り越えていく、そんなリズム残しながら、この映画はエンドタイトルを迎える。

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迷う楽しみ

この時期になると、僕のような者のところにもいくつかのチョコレートが迷い込んでくる。

世の中では、「義理」だの「本命」だの「友」…「逆」などといった但し書きがつけられて、それこそ天文学的な数量のチョコレートが行き来する。

この世に生を受けたチョコくんにとって、まさか将来こんな看板を背負って世間を渡っていくことになろうとは、夢にも思ってなかっただろう。

とは言え、それをいただく方は、何だってかまわないんである。
「義理」のラベルを指差して「そこんところを、何とか本命に…」なんてことは、筋が違う。
身の程をわきまえておりますよ。ハイ。

それにしても、箱詰めのチョコレートの愛らしさよ。
このふたを開けるときのときめきは、何ものにも代えがたい。

そして、中のチョコレートの一つ一つが我先に、口に入れて欲しいという声をあげている様子を見ていると、ちょっとした王様気分になってくる。
「まあまあ、そう騒ぐでない」
と言いつつも、迷う指先は彼らの頭上をしばし蛇行する。

確か、映画「フォレスト・ガンプ」の中でこんなせりふがあったっけ。

「ママが『人生はチョコレート箱のようなものよ。開けてみるまで何が入っているかわからないわ』ってよく言っていたんだ。」

それを言うなら、「食べるまでわからない」じゃなかろうか。
人生に転がっているさまざまな岐路。それに悩んで悩み抜いてきたからこそ、自分の選択には責任を持ちたい。

王様にも悩みはあるんだ。

人生、悩みはつきものだが、そこに楽しさもあるような気がする。

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奈良県立奈良情報商業高等学校 「ビジネスマナー講習会」(1年生対象、講話と実習)

2月14日 受講者 約120名

「企業活動におけるコミュニケーションについて」というテーマのもとに、以下の内容で講習をしました。
①仕事の仕方
②あいさつ実習
③朝礼実習
④名刺の扱い方

「実践的仕事術」という切り口で、ビジネスマナーの実習を進めました。同じテーマで50分授業を3クラス実施。今年も皆さん真剣に受講してくれました。

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奈良県立添上高等学校 「就職講話」(2年生対象、講話と実習)

2月13日 13:55~14:40 受講者 約60名

同校の就職・公務員希望者の生徒の皆さんに向けての講演でした。
特に、受講者の1/3が公務員希望者ということでしたので、公務員試験の入門編もお話いたしました。

人数の多さから、会場は和室で畳に座っての受講でしたが、さすが添上高校の諸君です、しっかりと顔を上げて話を聞いてくれていました。

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ナンショル

これって、いったい何て言うんだろう。
ワン・ショルダーバッグ? 斜めがけバッグ、幼稚園がけバッグ…
面倒くさいから「ナン形ショルダーバッグ」っていうのは、どうだろう。

で、とにかくです。この手の物で、なかなか気に入るのがなかったんだな、今まで。

財布(長札入れとコインケース)、名刺入れ、携帯電話、コンパクトカメラ、ピルケースなどが入ったポーチ、折りたたみ傘、そしてペットボトル(500ml

…ま、ざっとこのあたりが、僕の日常の持ち歩く物の顔ぶれなんだけど、これらを一まとめにしようとすると、どうしてもナン形ショルダー…、ウムムッ、これも面倒くさいなぁ、ええぃっ「ナンショル」で、どうだ。

ともかく、このナンショルで、これらを収納できるものがなかったというわけ。しかたなく、これまでは一眼レフカメラ用の小型リュックを流用していたのだ。頑丈で使い勝手もすごくいいんだけど、どうも物々しくていけない。
スーツにもジーンズにも合うナンショルがないものかと探していたのである。

そして、ようやく見つけたのが、これ。

うふふっ…、どうです。いいでしよう。
まず、キャメルのヌメ革っていうのが、いい。風合いの変化が楽しみだ。もちろん、先ほどの持ち物は楽々と入る大きさ。

細かく見ていくと、各部のステッチもしっかりしているし、鋲にもロゴが入っていて、とってもおしゃれ。背面部の造りも申し分なく、ベルト部に使われているやわらかな材質と、結合部のプラスチックはかえって割り切った発想で、使い勝手優先の設計であることがうかがえる

店でこれを見つけたときは、飛び上がったね。いわゆる一目惚れというやつだ。

値段は僕の1ケ月の小遣いをはるかに上回っていたけれど、即クレジットカードを取り出していた。

人馬一体という言葉があるけれど、「人鞄一体」と呼ぶにふさわしいバッグだ。
実はこのナンショル、ボディーバッグとも言うそうな。
なるほど、言いえて妙である。

これから、このバッグとの付き合いが楽しみである。

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頼み撮り用カメラ・パートⅡ

そういえば、昨年末に自分自身にクリスマスプレゼントを贈った。
カメラである。

以前から使っていたコンパクト・デジタルカメラの調子が思わしくなくなってきたからだ。
…というのは表向きの理由で、店頭で見て触っているうちにいつの間に勘定を済ませていたというのが、本当のところ。

とにかく、軽くて薄いのがいい。10倍ズームというのもいい。
講演の際の頼み撮り用カメラとしても、この倍率はありがたい。
以前から、撮影してくださる方が遠慮してどうしても近づけず、その結果として僕の画像も小さくなってしまう傾向があったのだ。
自分の顔をでっかくしてどうするんだというお叱りもありましょうが、何せ当人は控えめな性格なものですから、せめて写真中に占める自分自身の顔の占有率を高めておきたいというのは、至極自然な成り行きと申せましょう。

ただ、あまりに軽すぎて、頼み撮り用カメラとしてはいささか不安定で、落っことしてもらっては…という心配もある。

でかい面のわりには、気持ちはちっちゃいのである。

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