迷う楽しみ
この時期になると、僕のような者のところにもいくつかのチョコレートが迷い込んでくる。
世の中では、「義理」だの「本命」だの「友」…「逆」などといった但し書きがつけられて、それこそ天文学的な数量のチョコレートが行き来する。
この世に生を受けたチョコくんにとって、まさか将来こんな看板を背負って世間を渡っていくことになろうとは、夢にも思ってなかっただろう。
とは言え、それをいただく方は、何だってかまわないんである。
「義理」のラベルを指差して「そこんところを、何とか本命に…」なんてことは、筋が違う。
身の程をわきまえておりますよ。ハイ。
それにしても、箱詰めのチョコレートの愛らしさよ。
このふたを開けるときのときめきは、何ものにも代えがたい。
そして、中のチョコレートの一つ一つが我先に、口に入れて欲しいという声をあげている様子を見ていると、ちょっとした王様気分になってくる。
「まあまあ、そう騒ぐでない」
と言いつつも、迷う指先は彼らの頭上をしばし蛇行する。
確か、映画「フォレスト・ガンプ」の中でこんなせりふがあったっけ。
「ママが『人生はチョコレート箱のようなものよ。開けてみるまで何が入っているかわからないわ』ってよく言っていたんだ。」
それを言うなら、「食べるまでわからない」じゃなかろうか。
人生に転がっているさまざまな岐路。それに悩んで悩み抜いてきたからこそ、自分の選択には責任を持ちたい。
王様にも悩みはあるんだ。
人生、悩みはつきものだが、そこに楽しさもあるような気がする。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 謹賀新年(2013.01.04)
- 迷う楽しみ(2012.02.17)
- 銀のカップとソーサー(2012.01.10)
- おとなのお年玉(2012.01.09)
- 荒野の大掃除(2011.12.31)
コメント